singular points…特異点における日常の風景

 

Sunday, August 31, 2008

「江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた」~サムライと庶民365日の真実




時代劇で見る江戸の町は嘘ばっかり!
武士も町人も不倫三昧!斬捨御免も金で解決!
鬼平はワーキングプア、派遣社員が町に溢れ、大奥の年間維持費600億円が江戸の現実!
著者:古川 愛哲、講談社+α新書




<内容>
時代小説や時代劇、チャンバラ映画といっても、伝統的な江戸の生活を活写しているわけではありません。悪代官や悪家老に虐げられた者を救うため、素浪人が侍や町奉行の捕り方に囲まれながら、彼らをバッタバッタと切り倒す―。時代劇の溜飲の下がるカタルシスは、江戸時代にもありそうで、いや、あって欲しいと思うのですが、ほとんど西洋の活劇の流用から発展して今日に至ったものばかりです。それゆえ現実の江戸時代の姿からは、ほど遠いといわざるを得ません。それでは、なぜ、江戸を知っている人たちによって、時代劇や時代小説は作られなかったのでしょうか。

●時代劇とは違う江戸の町景色
●男たちが浮世絵好きだった理由
●「生類憐み令」は悪法か?
●斬捨御免で復讐された馬鹿殿
●時代劇の切腹は不作法?
●幼君への驚愕の性教育
●農民は本当に虐げられていたか?
●誰が関東平野を開拓したのか?
●新時代到来で地方と中央に格差
●幕末の慰安婦外交とハーフの運命


えーと、最近流行り(?)の“江戸本”ですが、この本もなかなか面白い新書でした。
ただし、タイトルは「江戸の歴史は大正時代のチャンバラ映画が西部劇やヨーロッパの活動写真の影響を受け、江戸時代を舞台にした時代小説だってヨーロッパの小説を反映したものだったんだから、そんときにねじ曲げられたんだよねぇ。だから、本当の江戸の実像に迫ってみようじゃありませんか!」の方がより正確だと思います(笑)

歴史はその時代時代の権力者の都合の良いように“改竄(ざん)・偽装・正当化”されるものなので、倒幕をした明治の新政府が徳川治世を否定的なものにねじ曲げてしまうのは当然だと思いますし、TVの時代劇そのままが本当の江戸時代なわけはないとは誰でも分りますし、TV時代劇やNHK大河ドラマの同じような作品でも時代の世相を映して制作されるので微妙に異なりますし、登場する人物の扱いだってかなり変わります。

「“江戸時代は封建制度の厳しい自由の無い暗黒時代だった”のだから、それに比べれば今の新政府がやっている施策は四民平等・旧弊打破・文明開化の名の下に多くの権利と自由を得た臣民(国民)にとって良いものに決まっているじゃないか!」という政府のプロパガンダは国策上必要だったんでしょうし、逆に「明治・大正時代は良かった」「戦前は良かった」「高度成長期は良かった」「バブル時代は良かった」という“昔は良かった”デマゴーグも使われますし、『歴史の真実』なんて本当のところは実際にその時代に自分が存在していなければ分らないし、存在してたって地位や階級によって捉え方が異なるのですから、マジで難しいですよねぇ。

この本でも語られていますが、江戸時代のトンデモ(悪)法として有名な「生類憐みの令」にしても、最近では戦国時代の人殺しも平気な殺伐とした世の中から平和で安定的な世の中に変えた効果のあった“マトモな法律”であったと評価されてきています。
実際に法律が適用された範囲は江戸市中+天領(幕府領)だけでしたし、処罰されたのは22年間でたった69件(内訳は46件が武士・足軽・中間、町民・農民・寺は23件で、1年間に平均たった3件)しかなく、人に対する野犬の被害も多かった江戸の町から捨て犬・野良犬を巨大な犬小屋に収容することで女性や子供でも安心して歩ける町にした面もありました。


実際、教科書を読んだだけでは、分らないこと・知らないことってホント多いですよね。
“教科書には載っていない歴史”を学ぶことはバランス感覚を磨く上で重要なことだと思いますし、(既に遅いような気もするけど)自分自身のマトモな価値観といえるものを育むためには、もっと色々な歴史本を読まないとダメダメだなぁ、と最近つくづく感じております。

Labels:

無実(The Innocent Man by JOHN GRISHAM)

リーガル・サスペンスの巨匠ジョン・グリシャムが、全米を震撼させた冤罪事件に挑んだ初のノンフィクション作品。
ニューヨーク・タイムズ、NO.1ベストセラー! 1982年、オクラホマの小さな町で起きたレイプ殺人事件と不公正な捜査の全容を描く渾身のノンフィクション!

1982年12月8日、オクラホマの小さな町で21歳のウェイトレスが何者かに強姦され殺された。
警察の捜査は行き詰ったかに見えたが、事件から5年後、地元に住む元野球選手とその友人が唐突に逮捕された。物的証拠は皆無、全米を震撼させた冤罪事件のはじまりだった……。


『無実(The Innocent Man、2006年)』は、「評決のとき(A Time to Kill、1989年)」「ザ・ファーム/法律事務所(The Firm、1991年)」「ペリカン文書(The Pelican Brief、1992年)」「依頼人(The Client、1993年)」などの小説・映画で有名なアメリカの小説家ジョン・グリシャムが初めて書いたノンフィクション作品です。

アメリカの典型的な地方小都市で発生した悲しいレイプ殺人事件は、メジャーリーグのオークランド・アスレチックス~ヤンキースの野球選手として地元のヒーロー(英雄)にもなった主人公「ロン・ウィリアムスン」の加速度がついたように転落していく酒とドラッグに溺れた人生に、暗雲どころかハリケーン並みの破壊をもたらすことになった。

証拠を捏造する警察のずさんな捜査・出世欲強い検察官による傲慢な立件など捜査当局の不正義は、ロンを被害者デビー・カーター殺しの主犯として1987年5月8日に逮捕され、陪審員制度による裁判で1988年に死刑判決を受け、収監された死刑囚刑務所での惨い12年間を経て、1999年4月15日に最新の鑑定方法であるDNA鑑定により無実(冤罪)が証明され、やっと“自由の身”となることが出来たが、2004年12月4日に亡くなったロンの51年の生涯は華やかさと絶望と哀しみに彩られた苦悩の生涯であった。


読後の感想として、日本でもアメリカの陪審員制度と同じようなシステムである裁判員制度による裁判が来年2009年5月から始まるようですが、「捜査当局の思惑やマスコミのミスリードに踊らされることなく冷静に判断できる“司法制度をある程度理解した一般の人”なんているのだろうか?」と少々怖くなりました。


【ゴマ文庫「無実」紹介ページ】
【Wiki-ジョン・グリシャム】
【Amazon-無実(上)】

Labels:

 

Saturday, August 30, 2008

坂角「ゆかり<縁>黄金缶」

名古屋といえば海老せんべい。海老せんべいといえば元祖≪ゆかり≫』…良質な海老の漁獲で名高い三河湾と伊勢湾に恵まれ、名古屋銘菓として愛されている海老せんべい。そのルーツははるか江戸時代へさかのぼります。
寛文6年(1666年)、尾張藩主の徳川光友公が知多郡横須賀村(現在の愛知県東海市)に御殿を造営。その折りに光友公へ献上され、極上の美味と絶賛され以後徳川家献上品となったのが、漁師たちが浜辺でとれたての海老のすり身をあぶり焼きにして食べ楽しんでいた「えびはんぺい」といわれています。それはやがて天日で干した「生せんべい」へ進化。
坂角総本舗の始祖(創業者)、坂 角次郎はその製法を受け継ぎながら工夫を重ね、名古屋市のはじまりと同じ明治22年、伊勢湾の新鮮な海老を使って炭火で焼き上げる新しい「生せんべい」を完成。これが今日の「ゆかり」の原型となったのです。そして、現在の味と姿へ移り、昭和41年に「ゆかり」と命名。
伊勢湾に面する横須賀を発祥の地として、江戸伝来の味を守り継ぐ元祖・海老せんべい「ゆかり」。
その歴史が人々の心を結ぶ「縁」の歴史となることを願って、これからも本物の味を皆さまのもとにお届けしていきます。
坂角総本舖公式サイト及び商品封入リーフレットより)


坂角(ばんかく)の海老せんべい「ゆかり」、かなり好きです!
初めて食したのは、新入社員で配属された営業部でまだ右も左も(更に前も後も)分らず「アワワ」していたまだ学生気分が抜け切らないウブな頃、名古屋営業所の営業マンからのお土産として頂いた時なので、かれこれ20年近く前で、以後“体が「ゆかり」を欲っしてるぜぇ!!”な禁断症状に陥ることもたびたび(◎дο)
でも、今の会社には同僚のiさんという名古屋出身の方がいらっしゃるので、いやぁホント非常に便利(じゃなくて、感謝^^;)です(。・ω-。)v
※iさん、“公私”に渡りいつもありがとうございますぅGOOD!!!d(。・`ω・)


冷静に考えると1枚90円近いお値段の「ゆかり」ですが、(やめられない、とまらない)カルビーの「かっぱえびせん」とコストパフォーマンスを比較しても意味がないような気がしなくもないので、両社の売上高でも比較してみますかぁ(-。-)y-゜゜゜

【両社の売上高】
株式会社坂角総本舗:96億円(2008年2月期)
カルビー株式会社:1,224億円(2007年3月期、連結)

ほほぉ、ざっと(じゃなくても)12倍強ですね( ..)φ
これだけ企業規模の違いがあれば、海老せんべい1枚とかっぱえびせん1袋のコストの違いも納得できますね!(そうじゃないって!)


で、画像の「ゆかり黄金缶」ですが、パッケージや内袋まで金色なので、まさに名古屋人好みな派手さ抜群の仕様かと思いきや、「名古屋城本丸御殿復元プロジェクト」に協賛する限定品で、「ゆかり名古屋黄金缶」1つにつき5円(ご縁)を、坂角総本舗から積立基金に寄付されるそうです。
ま、味は通常パッケージ品と一緒ですけどね。
※名古屋城本丸御殿復元プロジェクト…「ものづくりの技、文化、自然環境の大切さ」を後世に伝える象徴として名古屋市が取り組む活動。

【株式会社坂角総本舖 公式サイト(ゆかり黄金缶)】
【Wiki-坂角総本舖】
【坂角オリジナル 名古屋「金シャチ」ペーパークラフト(PDF)】
【名古屋城本丸御殿復元プロジェクト】
【カルビー株式会社 公式サイト】

Labels:

 

Tuesday, August 05, 2008

「ぽぉ」(いいだ人形劇フェスタ2008)

えーと、先週末の8/2(土)から既に開催されておりますが、今年は前身の「人形劇カーニバル飯田」から通算して30周年ということで「いいだ人形劇フェスタ・世界人形劇フェスティバル」と銘打ち、規模も期間も拡大し、2008年8月2(土)~8月10日(日)まで開催されます。
で、今年から新登場したマスコットキャラクター「ぽぉ」が、何と各会場を巡回してフェスタを盛り上げてくれています。
「ぽぉ」は癒し系のキャラクター(ユルキャラ)で、会えた方にはもれなく幸運(?)が訪れるかもしれません。
また、「ぽぉ・グッズ」も用意されており、携帯ストラップ(3種)やTシャツ、ボールペン・シャーペンなどフェスタ会場でしか購入できない限定商品ですので、是非とも皆様お買い求め下さい<(_ _)>


<いいだ人形劇フェスタについて>
いいだ人形劇フェスタ2008は、飯田に人形劇のまちが生まれて30年を記念し、「世界人形劇フェスティバル」を開催します。フェスタのこれまでとこれからをしっかりと繋げていきたいと考え「つながってく」をテーマとして掲げました。「つながり」というワードからは、連続、継承、拡大、連携、充実、協働、歩み等々が連想できます。
30年という時を経て、今、飯田の人形劇の祭典は親から子へ、子から孫へと時間の流れでつながり、飯田から全国へ、そして世界へと空間的な広がりでつながってきています。また、フェスタの理念でもある みる 演じる ささえる人たちのつながりもそれぞれの枠を越え、広がりと深まりをみせてきています。このフェスタを機に観客同志が、観客と劇人が、劇人同志が、劇人とスタッフがもっと広く、深く、楽しくつながっていきたいと思います。
「つながり」ではなく動詞にしたのは目的や活動が生まれやすいように、また一人ひとりが積極的にかかわっていけるように、また、「つながっていく」ではなく「つながってく」としたのはこのフェスティバルにかかわる多くの人たちが声に出してこれからの進むべき方向を語って欲しいと願ったからです。

<インフォメーション>
■本部インフォメーション(飯田文化会館内)電話:0265-23-3504
■市公民館インフォメーション(飯田市公民館内)電話:0265-22-5011
■セントラルパークインフォメーション(中央公園内)電話:0265-22-0065
■フェスタ実行委員会本部(飯田文化会館内)電話:0265-24-4478、0265-23-3506


・飯田人形劇フェスタ公式ホームページ
・人形劇の街 長野県飯田市ポータルサイト“inada2”
・飯田市公式サイト

Labels: