singular points…特異点における日常の風景

 

Monday, July 11, 2011

冷静な消費から「熱い消費」で農家を救え!|ゲンキな田舎!

原発事故以来、毎日示されている放射線量。その数値をめぐる解釈には、今もわかりにくい部分が多い。国の説明に納得のいかない人たちの消費行動まで風評とひとくくりにされがちだが、個人が冷静に出した判断とパニック的行動は、同じ買い控えでも峻別されるべきだろう。

福島県や関東地域の農作物に対する反応では「落ち着こう」というムードが広がる一方、「買わない」という選択をしている人も少なくない。多くは小さな子供を持つ親で、農薬や環境問題などに高い関心を持っている層であることも共通する。農薬の使用については国が安全基準を定めている。だが、オーガニック主義の消費者は農薬の量が気になるのではない。子供の体に入るものに化学物質を一切使ってほしくないのだ。そんな人たちには放射線も同じだ。受け入れがたいのは、数値というより原発から放射性物質が漏れ続けている事実なのである。

皮肉なのは、そうした考えの消費者と直販契約を結んで作物を提供してきた福島や関東の無農薬栽培農家が、原発事故以来、梯子を外されたかっこうになっていることだ。冷静な消費行動だけでは救いの手が届かない現実がある。いま求められているのは熟慮の末の熱い消費だ。

 

(鹿熊勤・ビーパル地域活性化総合研究所主任、「BE-PAL」8月号より)

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