singular points…特異点における日常の風景

 

Sunday, November 02, 2008

メメント・モリ(Memento-Mori 死を想え)


 さよなら「メメント・モリ」そして、こんにちは「メメント・モリ」

 日替わりで情報が消えていくこの時代に二十五年の長きに渡って読み継がれている本書は稀有の書だと思う。その二十五年にいろいろなことが起こった。最愛の肉親の死を受け止められない人が本書を読み、気持ちの落ち着き所を見つけられたという例は多い。重荷を背負った自分から解放されたという人もたくさんおられた。悩みあればことあるごとに本書を開くという人。あるいは本書を片手に命を絶ったというメールがその女子高生の友人から来た時、私自身がなぜかと悩まざるを得なかった。またあるアーティストたちは本書にきっかけに歌や映画や演劇をつくった。
 こうして長きに渡りさまざまな人々の人生に関わってきた「メメント・モリ」はすでに私の手から離れ、それのみで光を発している。そういった自立した書を改編するというのは不遜ではないかとの思いもあった。
 だがこの二十五年さらに悪化の一途をたどっている世の中に生きるための座右の書として、より研ぎ澄ました強固なものにしたいという思いが私にはある。そして心を鬼にしてある写真や言葉を葬り、ある写真や言葉を産んだ。賛否はあるだろう。それは甘んじて受けたい。そして読者と切磋琢磨しながら、本書はこの地点にとどまることなく、さらに進化して行くはずである。
(藤原新也著「メメント・モリ」新装版[21世紀エディション]帯文より)

【藤原新也 official site】
【「メメント・モリ」書籍案内-三五館】
【Wiki-メメント・モリ】
【Wiki-藤原新也】
【駒ヶ根高原美術館 ※常設展示室あり】

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