singular points…特異点における日常の風景

 

Friday, November 03, 2006

マーダー・プラン(Dr.Death)

【上巻解説】
「ドクター死(デス)」の異名をとる医師メイトの殺害が、すべてのはじまりだった…。
メイトは、安楽死の幇助をしていることから「ドクター死」という異名で知られていた。その彼が、自らが考案した「死の装置」の上で発見された。それも、体を切り裂かれ、血を抜かれた無残な状態で…。
LA市警の敏腕刑事マイロは、親友で臨床心理医のアレックスとともに殺人犯を追い始めるが…複雑な人間関係、交錯する善意と悪意。捜査は混迷を極める!予測不可能、驚愕の結末!

【下巻解説】
「ドクター死」を殺害した犯人は、彼に恨みを持つ患者の家族なのか、それとも…? 
FBI特別捜査官が追う連続殺人事件との関連も浮かび上がり、犯人の捜査は難航を極めていく。人間関係が複雑に絡み合い、事件が事件を呼ぶ。衝撃的なラストまでページを繰る手が止められない、巨匠ケラーマンの会心作!


小児臨床心理医アレックスとLA市警刑事マイロが活躍するジョナサン・ケラーマン(Jonathan Kellerman)「臨床心理医アレックス・シリーズ」の14作目です。
前作の『モンスター』読了後、続けて読みました。
「うーん、前作よりは良かったかな?」という印象でしょうか。
解説では「衝撃的なラスト」とかいってますが、「唐突なラスト(容疑者レベルでの射殺)」という感じで、一応わかるのですが前作に続き犯人像がイマイチ描き切れていないのが少々不満です。(犯人の思考とか、どうして犯罪に手を染めたのかが不明確で、もう少し主人公と会話や格闘などの絡みがあってもいいのでは?)
確かにアレックスが犯人がどんな人物であるのかを"プロファイル"はしてくれるのですが、足りないです。(ま、アレックスの一人称で書かれる作品なので限界があっても仕方ないか)
でも、あまりにも複雑な人間関係の描写は、いつもながら「さすが」という感じでした。

「アレックス・シリーズ」に興味を持たれた方は入手がちょっと困難かもしれませんが(ブックオフのサイトなどで古本を探せば以外に早く見つかるかも)、1作目の『大きな枝が折れる時(When the Bough Breaks,1985年)』から読んで頂いた方が、主要登場人物の関係・繋がりなどが明確になりますので強くお勧めします。

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