singular points…特異点における日常の風景

 

Tuesday, June 13, 2006

無尽(無尽講)

水上宏明さんの「金貸しの日本史」という新潮新書からの引用です…第二章 銀行のはしり「合銭」より「足利尊氏は建武3年(1336年)京都室町幕府を開いた(中略)無尽や土倉といった、現代でいう金融を盛んにしようと(中略)無尽は無尽講のことで、関西では頼母子講(たのもしこう)といわれているものである。無尽のシステムは何人かで講といわれる組織を作り、講のある日に決まった金額を持ち寄る。その仲間から1人が、その集まった額を受け取ることができるとういもの。例えば10人で講を作り毎月1万円の掛け金を決めたとしたら、10ヶ月に1度10万円を手にすることができる」ということなのですが、当たり(落札)逃げはできず、「最後まで相互の信頼関係の中で続けることが、この仕組みのポイント。見方を変えると、まとまった金額の貯蓄はいつできるか分らないが、相互にその関係を続けることによって、融資を受けたり満期の貯蓄を受け取ることになる」だそうです。
実際は入札金額により配当が決まったり、2番札を入れるとボーナスが付与されたりするので、もう少し複雑というか計算が面倒なのですが、例えば今月車検があるのでこずかい厳しいなぁ、という時などは便利です。昔は落札したお金で「お伊勢参り(つまり物見遊山=遊女買ったり、飯盛り女?買ったり、愛人に子供が出来たからとか、愛人と旅行に行くとか)」に活用していたようですね。観光なんて当たり前の世の中になったので、今では親睦の会として存在しているようです。VIP?の方々は月の掛け金が3-5万円とかの無尽をやることもあるようですが、そのお金を(落札なしで)積み立てしておいて豪華海外団体旅行に出掛けたりするようです。
無尽のメンバー構成は、同級生同士だったり、会社の同僚、町内青年部、飲み屋主催だったりするのですが、入札を行う毎月の飲み会に欠席すると出不足金として罰金を徴収されますので、自然と集まりも良くなり、メンバーの結束が強くなるというメリットはあるみたいですね。でも、いくつも無尽を掛け持ちすると「無尽貧乏」になりますので、要注意です(^_^;)

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