singular points…特異点における日常の風景

 

Thursday, January 18, 2007

中国五千年

上巻…歴史の要点は、政権(王朝)の興亡にある。どのような人物が王朝をたて、どう政治をしたか。有徳と暴虐の交替、文化の差が政権を変える有様を、明快平易に語る史書。三皇五帝の神話時代から、祭政一致の神意国家、地方分権の封建制社会、秦の始皇帝による天下統一。再びの動乱、隋による再統一まで。
下巻…中国の王朝興亡に見られるパターン、多くの政権は、その内部の実力者に乗っ取られて交替する。世界帝国唐、短命王朝の続く五代十国、新時代を画した宋、征服王朝元、中華帝国の復活明、満州族の王朝清から中華民国を経て、中華人民共和国が成立するまで。歴史とは何かを、公正な史眼で語る名著。(著者:陳舜臣、全2冊)

淡々とした語り口で、歴史モノにしてはとても読みやすかったです。
「中国」という国家の成り立ちが、この本で概要は掴めるのではないでしょうか。
『歴史の要点は、政権(王朝)の興亡にある』という言葉は、「なるほど」という感じでした。

僕は、陳舜臣さんの作品をまだ2冊しか読んでいないので、時間を作りポツポツ読んでいこうと思っておりますが、腰を据えてじっくり読みたい本ばかりなので困ってしまいます。

【中国五千年-講談社BOOK倶楽部】
【陳舜臣中国ライブラリー(集英社)】
【Wiki-陳舜臣】

≪他人の痛みを知る-陳舜臣≫
今度の地震でこの種の不祥事がほとんど起こらなかったことは、私たちの国際感覚が成熟していることを物語っている。
これは半世紀以上も前に、日本が敗戦を経験し、国土を焦土とされた悲惨な歴史と無縁ではないという気がする。
他人の痛みが分かる人が多くなったのだろう。
爆弾や焼夷弾に追われ、家を焼かれ逃げまどった記憶があり、その惨状と重ね合わせて、目の前の罹災を見ることができたのではないだろうか。
(中略)
(中国人犠牲者の遺族が、太湖のほとりの無錫市郊外に犠牲者48人を追悼する碑を立てた)
「日本阪神淡路大震災中国遇難同胞記念碑」と刻まれた、高さ3メートルの大きなもので、裏面には48人の姓名、年齢、性別、出身地が刻まれている。
碑は屋根の付いた建物で覆われ、その柱には若くしてたおれた彼らへの挽詩がしるされている。
『宏願未遂東海地裂毀荘志』
-大いなる望みは遂げられず、東海に地裂けて、荘志を毀つ-

 
※毀つ(こぼつ):壊した、破った
※阪神大震災に対し陳舜臣さんが2年前の日経朝刊に寄せられたものです。
※文章の一部しか入手できず、読みづらくしてしまい申し訳ありません。

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