singular points…特異点における日常の風景

 

Monday, February 15, 2010

フィールド・オブ・ドリームス(Field of Dreams)

アイオワ州の田舎町に住むレイ・キンセラは農業でなんとか家計をやりくりする、一見普通の貧乏農家。ただ、若い頃に父親と口論の末に家を飛び出し、以来生涯に一度も父の顔を見る事も、口をきく事すらもなかった事を心の隅で悔やんでいる。
ある日の夕方、彼はトウモロコシ畑を歩いているとふと謎の声("If you build it, he will come." = 「それを作れば、彼が来る」)を耳にする。
その言葉から強い力を感じ取った彼は家族の支持(妻のアニーは夫の思いを遂げさせようとレイを温かく見守る)のもと、周囲の人々があざ笑うのをよそに、何かに取り憑かれたように生活の糧であるトウモロコシ畑を切り開き、小さな野球場を作り上げる。
その後しばらく何も起きなかったが、ある日の晩、娘が夕闇に動く人影を球場にみつける。そこにいたのは“ブラックソックス事件”で球界を永久追放され、失意のうちに生涯を終えた“シューレス”ジョー・ジャクソンだった。その日を境に、シューレス・ジョーとともに球界を追放されたシカゴ・ホワイトソックスの8人のメンバーが次々と姿を現わした。その時レイはまたしても「彼の苦痛を癒せ」という幻の声を聞き、彼は60年代の作家テレンス・マン(※原作では実名であるJ・D・サリンジャー)を訪ねてシカゴヘ向かう。
そしてフェンウェイ・パークで野球を観戦中、レイとマンは電光掲示板に映ったメッセージを読みとり、今度はムーンライト・グラハムという野球選手を探すことになった。
2人はミネソタ州チゾムに彼を訪ねるが、すでにグラハムは亡く、その夜レイはなぜか60年代のムーンライト・グラハムと出会った。
しかしその頃アイオワでは、レイの野球場が人手に渡る危機を迎えようとしていた。アニーからそれを聞いたレイは、マンとともに帰途につくが、道中ひとりの若き野球選手を車に乗せる。実は彼こそが若き日のグラハム、その人であった。
アイオワに戻ったレイは、野球場売却を勧めるアニーの兄マークと口論するが、その最中カリンがケガをする。そんなカリンを助けたのが、ドク“ムーンライト"グラハムであった。
そしてその時初めて、マークにもこの土地の持つ夢の大きさを知り、売却を撤回した。そしてその夢は、限りない未来への希望で包まれてゆく……。

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